彩縫箱

くまプーとシナモンがかわいくてたまらない。

『些末なおもいで』些末なおもいで作者: 埜田杳出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/12メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (25件) を見る

賞の候補になっていたとき、携帯サイトでちょっと読んで
気になっていたのです。

最終候補作は雑誌やネットで公開されて、
読者投票もあったんですが、
結局全部は読んでなくて。


単行本化されて良かった。


んで、衝動買いして、読みましたー。


話の流れとか結末とかは
早くに想像がついちゃうんですが、
個人的には割りと好きでした。

時間が空いたとき
もの思いにふけるようなとき、
秋の夜長などに合いそうな感じ。


「あれ」も、確かに怖い病気ですけども、
もしかしたら全く別のところに全部持っていかれちゃって
全然知らないところに「あれ」に罹った友人がいて
生活してるのかも・・・とか思っちゃうような
不思議な病気でした。
・・・まぁ多分これは私のいいような解釈で、
実際にはめっちゃ怖いですね・・・。


ラストとか好きでした。
なんか、物悲しさと
たまらなさと
やりきれなさと
せつなさと
いとしさと
こころづよ・・・あれ。違うって(笑)

まぁなんかそういう感じの。

語りで述べすぎかな、とか
思うところはところどころありましたが、
ラストが個人的に気に入ったので、
よんでよかったなーと。

っていっても、結末が良かった、ってわけではなくて…
うーん、なんというか。
雰囲気とか
伝えようとしている気持ちとか
そういうことがなんかわかっていいな、と。

主人公に感情移入しやすかったのかな、うん。



ひとって、
わすれたくないし
忘れようとしているわけでもないんだけど、
どうしても忘れてしまう。


ふと思い出すたびに詳細はどんどん忘れていってしまっていることに
気づくんだけど、完全に忘れられないものとか
完全に忘れられない感情が確かにあって。

そして、
忘れていたことが
あるときふっと脳裏に浮かんだりもして。




時が経つといろあせて薄くなってしまいそうになるなんて
「些末なおもいで」なのかもしれないけど、
でも、わすれたくないし忘れられないんだ、
みたいな。

そんでそれが今の自分をささえているんだ、という・・・。


あ、なんか妙に語ってしまった!はずかしー・・・