彩縫箱

くまプーとシナモンがかわいくてたまらない。

禅 感想小出し7

*ネタバレ注意*独断と偏見と本編にあんまりかかわりのない感想が多々ございますのでご注意を・・・!*



では、昨日途中になってしまった
公暁と寂円の設定の感想をば。




原作だと公暁は通過点のような感じで、
映画では、見えないけどいる、って感じだという話をしていたんですよね、昨日。




はじめ映画を観たときも、
最後のほうまで公暁は充実としては「通過点」だったんです。
なので最後の遺言で名前が登場して驚いたんですが、
よくよく考えると、
最後でああいう風に言うってことは、
(映画の)道元にとっては公暁は通過点ではなくて、
ずっといたのかな、と。

そういう視点で2回目観ると、



すごいよね・・・映画監督って・・・・・!



気づくか気づかないかくらいのところで
公暁につながる何かを登場させているんですよ・・・
さり気なーく。


あ、寂円が公暁そっくり設定は
直球で、
さりげなくないんですが。
でもこの設定も、見てたら寂円は寂円だと思って観るので、
公暁云々はちょっと忘れちゃうので、
さりげないと言えばさりげない、かな。


あと、
竹!
俊了と日本語と中国語教えあってるシーン、
竹だったんです。

俊了が「た、け」
って教えて、
寂円が竹の中国語を教えてるシーンがあったんですが。

1回目の時は
言葉教えあっててほほえましいなー
くらいだったんですが・・・



竹・・・



公暁がはじめて出てきたシーンで、
「天下を取る!」
とか言って
スパって斬ってたんですよ、


竹を。



なんて手の込んだ演出・・・!?




あと、
鎌倉へ行く、のも
執権北条氏に会う、ってのも
それが時頼っていうのも
遠く近く公暁に縁のあることなんですよねー・・・

もちろん本編ではしっかり流れがあって、
そのながれにそって観てるから気づかなかったんですけども、
気にしてみるといろいろと。

公暁そっくりの寂円が鎌倉下向についていく、とか
その寂円と、道元と、時頼が並んで坐禅しているとかも
考えようによっては深いなーとか。


権力にこだわる時頼に喝をいれるところは、
本当は公暁に向けた言葉でもあるのかなー
それとも公暁がああいう最期を迎えたことに関して、
幕府関連の方々に対する複雑なおもいとかがあるのかもなーとか思いました。

公暁はああいうことになってしまったけど、
時頼は助けられてよかったねぇ・・・とか



大寺院の開山の話を断るところとかも
(天下人になって帰依する、と言っていた)公暁が帰依した(ことになっている)から、
他の天下人に従うつもりはないのかな、とか

同じことを公暁に言われてたらどうこたえていたんだろ?
断ったのかな?

「会えてよかった」、とかも
きっと言いたかったことばだったんだろうかなーとか。


とか

ちらほら公暁につながるいろいろがあったんですよね・・・!



で、あの最後につながる、
と考えると、


ああ。


みたいな。



あとは、
とっても間接的で、
考えてみたらつながりがあるね、
というくらいなのはあっても

公暁そのものの名前とか
話題とかを出していないところが




最後の

えええ!?

って意外性とインパクトにつながると同時に、


振り返ってよくよく考えさせるきっかけになるし、
道元の芯の強さと言うか
敢えて言わない
思いの強さと言うか
そういうのを
じわじわじわじわと感じさせるという・・・。



そうそう、原作では、
道元公暁の今生の別れのシーンは、

公暁がはっきり
「今生の別れを言いにきた」
っていってましたが、


映画では
「しばしの別れを言いにきた」

になってました。
「しばし」
が今生の別れになってしまったので
印象としては多分原作以上に
悲しさ強いんですよ・・・。



で。
共にあった、という方向でいくのであれば、
似ている設定はとっても効果的だったな、と思いました。
結果論ではなくて、そのための設定だったんでしょうけれど。

通過点、であれば、
寂円入門の時に公暁のストーリーへの関わりは終わってしまうので
ちょっともったいない設定だっただろうと思うので。


で、これはやはり、
映画だからこそ
効果が大きい設定だと思います。
話題に上らなくても、
観客が意識しなくなっても、
公暁そっくり設定の)寂円は映っているので・・・!

あ、
そうか、
いないけどいる、
いるけどいないけどいたんだ、ずっと。

という説得力を、
映像がつくってくれていたんですよね。

映画だからこそできることを
最大限に活用しているという・・・




あと、公式サイトの予告では
「禅ZENとは共に生きること」
ってコピーがあって、

納得。






ので、


すっごいなぁ・・・・!!


と実感しました。




取り留めなく思いつくまま書いてしまったのでまとまりないけど・・・
レポート提出するというのではないので
このままにします!!


あ。公式サイトの人物紹介は以下。


寂円 正師を探す途中、羅漢像を参拝していた道元が偶然出会った青年僧。その姿は道元の亡友、源公暁に酷似している。道元の帰朝後、建仁寺にいる道元を慕って来日。その後の半生を道元と共にする。


次は時頼です!